長男として生まれた父は、やはり家を継ぐ立場にあった。生まれつき身体が弱く、年頃になってもなかなか縁談は無かった。
そこで白羽の矢が立ったのが、祖母の姉の娘である私の母。いとこにあたる。歳合いもちょうどよい。
母にとって、いとこである父の家の事は良く知っている。
苦労は目に見えているが、母親の言う事に逆らえない。
嫌で嫌でしょうがなかったのだが、母親を困らせたくないから泣く泣く承知したのだろう。
実際嫁いでみると、社交家の義父・働けない夫故借金まみれ、手作業の稲作、更に実権を握っているのは、夫の父と姉。
その苦労は想像をはるかに超え、度々泣いては実家に帰っていた。
私が幼い頃、度々母に連れられ母方の祖母の家によく行っていたことでも、それがわかる